【ゴルフ初心者の最大の敵】スロープレーにならないための時間管理術|元研修生が徹底解説

マナー・ルール

「自分が遅くて、周りに迷惑をかけていないか不安…」
「前の組が遅くて、待ち時間ばかりでイライラする…」

ゴルフコースで、こんな気持ちになったことはありませんか?
楽しいはずのゴルフが、時間のプレッシャーで苦痛に変わってしまう。その元凶こそ、ゴルフ界で「最大の悪」とまで呼ばれる「スロープレー」です。

こんにちは!元ゴルフ研修生のkenです。
プロを目指す世界では、「ショットが下手なこと」よりも「プレーが遅いこと」の方が、はるかに厳しく糾弾されます。なぜなら、スロープレーは、あなた個人の問題ではなく、同伴者、後続の組、そしてゴルフ場全体にストレスと迷惑をかける行為だからです。

しかし、安心してください。
スロープレーは、初心者の技術的な問題(ミスショットが多いこと)が直接の原因ではありません。その9割は、「意識」「準備」で解決できるのです。

この記事では、スコアが120でも130でも「〇〇さんはプレーが速くて気持ちいいね!」と周りから一目置かれる、具体的な時間管理術とスマートな振る舞いを、私の経験を基に徹底的に解説します。

スロープレーの不安から解放され、スコアだけでなく立ち居振る舞いも格好良いゴルファーへの第一歩を、ここから踏み出しましょう。

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なぜ「スロープレー」はゴルフ界最大の悪なのか?

まず、なぜスロープレーがこれほどまでに嫌われるのか、その深刻な影響を理解することが重要です。

あなた一人の遅れが、ゴルフ場全体を麻痺させる

ゴルフコースは、あなたたちの組だけでなく、その後ろに何十組ものゴルファーがスタートを待っている、巨大な「リレー競技」のようなものです。

あなたの組のプレーが5分遅れたとしましょう。その遅れはドミノ倒しのように後続の組すべてに波及し、最終組がホールアウトする頃には、1時間以上の遅れになっていることも珍しくありません。結果として、日没でプレーを終えられなくなる組が出たり、ゴルフ場スタッフの労働時間が長引いたりと、甚大な被害をもたらします。

スロープレーは、ゴルフというスポーツの根幹を揺るがす、極めて自己中心的な行為なのです。

技術の未熟さ ≠ スロープレーという真実

初心者が最も勘違いしやすいのが、「私は下手でたくさん打つから、遅くなるのは仕方ない」という考え方です。これは、明確な間違いです。

私が研修生時代に見てきた中でも、スコアが120でも驚くほどプレーが速い方はたくさんいました。逆に、シングルハンデの上級者でも、プレーが遅くて周りから煙たがられている人もいました。

つまり、スロープレーの原因は、ショットの腕前ではなく、「プレーのリズム」と「準備の速さ」にあるのです。たくさん打っても、一つ一つの所作が速ければ、全体のプレー時間は短縮できます。


プレーファストの基本原則|ショット以外の時間を全て削る

では、どうすればプレーを速くできるのか?その答えは非常にシンプルです。

「ショットを打つ時間」は平等。差がつくのは「準備時間」

ボールを目の前にして、アドレスに入り、実際にショットを打つまでにかかる時間は、プロもアマチュアも実はそれほど大きくは変わりません。せいぜい数十秒の世界です。

プレー時間で圧倒的な差がつくのは、ショットとショットの間の「ショット以外の時間」です。

  • ボール地点まで移動する時間

  • どのクラブで打つか悩む時間

  • 風や距離を測る時間

  • 素振りをする時間

この「ショット以外の時間」をいかに意識的に短縮できるか。これこそが、プレーファストを実現するための核心なのです。


【明日からできる】具体的なスロープレー防止・時間管理術7選

ここからは、ゴルフ初心者でもすぐに実践できる、具体的な時間管理術をご紹介します。一つでも二つでも取り入れてみてください。あなたのプレーは劇的に変わります。

① 常に「数本持ち」の達人になる

カートから自分のボールがある場所へ向かう際、クラブを1本だけ持っていくのは絶対にNGです。
ボールの所まで行ってから「あ、やっぱり番手が違った」とカートに取りに戻るのは、スロープレーにおける最悪の行為の一つ。

自分の大体の飛距離を把握し、ボールまでの距離を見て「本命のクラブ」「保険のクラブ(1番手大きめ/小さめ)」「グリーン周りで使いそうなウェッジ」の3本程度を常に持って移動する癖をつけましょう。これだけで、無駄な往復がゼロになります。

② 「打順の先読み」と「事前準備」を習慣化する

自分の番が来てから、のんびりと準備を始めるのは論外です。同伴者がプレーしている時間は、あなたにとって絶好の「準備時間」です。

  • 前の人が打っている間に、自分のボールのライ(状態)を確認する。

  • ピンまでの距離、風向き、ハザードの位置などを把握する。

  • どのクラブで、どこを狙って打つかという「次の計画」を立てておく。

  • グローブをはめ、ティーをポケットに入れ、いつでも素振りを始められる状態にしておく。

この事前準備だけで、自分の打順が来た時にスムーズに行動でき、数分の時間を短縮できます。

③ ルーティンは「簡潔」に。素振りは最大2回まで

プロゴルファーの真似をして、長い時間をかけてショット前の儀式(ルーティン)を行う必要はありません。上級者ほど、ルーティンは簡潔でスピーディーです。

素振りは、目的意識を持って1〜2回すれば十分です。それ以上は何の気休めにもならず、時間の無駄であり、後続組をイライラさせるだけです。自分なりの簡潔なルーティンを決めて、常にそれを実行しましょう。

④ ボール探しは「全員で」「3分以内」

ボールが林やラフに飛んでしまった時。自分のボールだけを探すのではなく、同伴者のボールも全員で協力して探すのが、美しいチームプレーの基本です。

そして、ボール探しはルールで「3分以内」と定められています。3分探して見つからなければ、たとえお気に入りのボールでも潔く諦める勇気を持ちましょう。もしOBの可能性がある場合は、予め「暫定球」を打っておくことが、最大級の時間短縮に繋がります。

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⑤ グリーン上でのスマートな振る舞い

グリーン上は、特に時間のロスが発生しやすい場所です。以下の行動を心がけましょう。

  • グリーンに到着したら、他の人の邪魔にならない場所にパターとウェッジを置く。

  • 自分のボールマークは、他の人がパットの準備をしている間にさっさと直す。

  • 他の人がラインを読んでいる間に、自分も逆方向からなど邪魔にならない位置でラインを読んでおく。

  • 自分がホールアウトしたら、グリーン上でスコアを記入するのは絶対にNG! 速やかにグリーンを降り、次のホールへ移動しながらスコアを記入します。

⑥ カートの効果的な活用術

カートは単なる移動手段ではありません。プレーを円滑に進めるための「作戦基地」です。

  • 同伴者がショットを打ったら、カートを少し進めて次のプレーヤーが移動しやすいようにする。

  • 自分が運転する場合は、同伴者のボール位置を把握し、全員が最も効率よくプレーできる場所にカートを停める。

少しの気配りが、組全体のプレーリズムを良くします。

⑦ 「OKパット」の積極的な活用(プライベートラウンド限定)

競技ゴルフではありえませんが、友人との気楽なラウンドでは、1m以内の短いパットは「OK!」として、カップインしたものと見なす文化があります。

同伴者から「OKです!」と言われたら、遠慮せず、ありがたくボールをピックアップしましょう。逆に、あなたも同伴者の短いパットには「OK!」と声をかけてあげる優しさを持ちましょう。これだけで、一組あたり10分以上の時間が短縮できます。


【元研修生の視点】スコアが悪くても「プレーが速い」人の共通点

最後に、私がこれまで見てきた「プレーファストな人」に共通する特徴をお伝えします。ぜひ参考にしてください。

  • とにかく「歩くのが速い」:だらだら歩きません。キビキビと自分のボールに向かいます。

  • 「決断が速い」:あれこれ悩みません。自分の技量を理解し、安全なルートを即座に選択します。

  • 常に「次の準備」をしている:自分のショットが終わった瞬間から、思考は次のプレーに移っています。

これらの根底にあるのは、「自分の時間は、自分だけのものではない」という意識です。


まとめ|プレーファストは、最高の思いやりであり、最強のスキルである

スロープレーの防止は、難しい技術論ではありません。今日から誰にでも実践できる、「意識」「準備」の問題です。

  1. 意識を変える:「下手だから遅い」は間違い。「ショット以外の時間」を削る意識を持つ。

  2. 準備を徹底する:「数本持ち」「事前準備」「簡潔なルーティン」を習慣化する。

  3. スマートに振る舞う:「ボール探しは3分」「グリーン上ではスコアをつけない」などのルールを守る。

スコアが良いこと以上に、プレーのリズムが良いことは、あなたをゴルファーとして何倍も魅力的に見せます。プレーファストは、同伴者、後続組、ゴルフ場全体への最高の「思いやり」であり、あなたが身につけるべき「最強のスキル」なのです。

スマートな時間管理術を身につけ、スコアだけでなく振る舞いも格好良い、誰からも愛されるゴルファーを目指しましょう!

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