「あの人は、始めた時期は同じなのに、どんどん上手くなっていく…」
「自分も一生懸命練習しているのに、なぜかスコアが伸び悩む…」
ゴルフという深く、果てしない旅路の中で、自分と他人の上達スピードの違いに、焦りや無力感を覚えたことはありませんか?
こんにちは!元ゴルフ研修生のkenです。
プロゴルファーを目指し、来る日も来る日もゴルフに明け暮れていた研修生時代。私は、自分自身を含め、数え切れないほどのゴルファーたちの「成長」と「停滞」の瞬間を、すぐそばで見てきました。
そして、長い時間をかけて、ある一つの結論にたどり着きました。
ゴルフが「上達する人」と「しない人」を分けるのは、決して生まれ持った運動神経や、恵まれた体格といった「才能」ではありません。
それは、日々の練習、コースでの振る舞い、そしてゴルフというスポーツそのものへの「向き合い方」に、決定的な違いがあるのです。
この記事では、そんな私が肌で感じてきた、上達の階段を駆け上がる人と、同じ場所で足踏みを続ける人の「思考と行動のパターン」を、具体的な比較を交えながら、その全てをお話しします。
これは、単なる精神論ではありません。あなたの努力を「本物の上達」へと直結させるための、極めて実践的なヒントです。この記事を読み終える頃には、あなたが明日から何をすべきか、その道筋が明確に見えているはずです。
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上達する人の「練習」の流儀
ゴルフの上達において、練習は不可欠です。しかし、その練習の「質」に、両者の間には天と地ほどの差が存在します。
① 目的意識の明確さ:「今日のテーマ」を持って練習する
上達しない人は、練習場に来ることが目的化しています。いわば「球打ち作業」。ただ漠然と、目の前のボールを打ち、球数をこなすことで満足してしまいます。
一方で、上達する人は、練習場を「実験室」だと考えています。彼らは、打席に立つ前に必ず「今日のテーマ」を一つだけ設定します。「今日は絶対に体の回転だけで打つ」「今日はトップで右膝が流れないことだけを意識する」「今日はグリップの圧力を常に一定に保つ」。
たった一つの明確な目的を持つことで、一球一球が「仮説」と「検証」の繰り返しとなり、練習の質は劇的に向上します。100球の「作業」より、10球の「実験」の方が、何倍も価値があることを彼らは知っているのです。
② 質へのこだわり:「100球の乱れ打ち」より「10球の丁寧なショット」
上達しない人は、次から次へとボールを打ち、リズムもテンポもバラバラ。たまに出るナイスショットに喜び、ほとんどのミスショットからは目を背けます。
対照的に、上達する人は、たとえ練習場であっても、1球打つごとに、コースさながらのルーティンを丁寧に行います。ボールの後方に立ち、ターゲットを確認し、素振りをして、アドレスに入る。その一連の流れを、毎回寸分違わず繰り返します。
彼らは、ゴルフが「再現性のスポーツ」であることを理解しています。常に同じ手順で、同じリズムでスイングすることの重要性を知っているからこそ、練習場でも本番と同じ緊張感で、一球の質に徹底的にこだわるのです。
③ 地味な練習を愛する力:スコアの7割を作る練習に時間を割く
上達しない人は、ドライバーやアイアンのフルショットといった、派手で気持ちのいい練習に多くの時間を費やします。それはそれで楽しいのですが、スコアにはなかなか結びつきません。
しかし、上達する人は知っています。ゴルフのスコアの約7割が、100ヤード以内のアプローチショットとパッティングで作られるという、動かしがたい事実を。だからこそ、彼らは練習時間の半分以上を、この地味で、退屈で、誰も見ていないショートゲームの練習に黙々と費やすことができるのです。
ドライバーの飛距離という「見栄」よりも、スコアメイクという「実利」を優先できる冷静さ。これが、上達する人の共通点です。
上達する人の「コース」での思考法
コースは、練習の成果を試す場であると同時に、その人の「ゴルフIQ」が最も顕著に現れる場所です。
① ミスへの向き合い方:「なぜ?」を考える分析力
上達しない人は、ミスをすると感情的になります。「チクショー!」とクラブを叩きつけたり、「なんでだよ…」といつまでも引きずったり。そして、その怒りや焦りを、次のショットにぶつけようとして、さらに大きなミスを繰り返す「負のスパイラル」に陥ります。
一方で、上達する人は、ミスを「貴重なデータ」だと捉えます。OBを打っても、「今のは力みすぎて、右肩が突っ込んだな」「風の読みが甘かったな」と、感情的にならずに原因を客観的に分析します。そして、その分析結果を、次の同じような状況で活かそうとします。ミスを学びの機会に変えることができる冷静な分析力こそ、彼らが同じ失敗を繰り返さない理由です。
② 謙虚なマネジメント:「パー」ではなく「大叩きしないこと」を目標にする
上達しない人は、無意識のうちにプロゴルファーと同じゴルフ(パーオン狙いのゴルフ)をしようとします。自分の実力以上のショットを求め、池やOBのリスクを冒して、自らギャンブルに打って出ます。その結果、一つのホールで「10」を叩くような、致命的な大怪我をしてしまうのです。
しかし、上達する人は、常に「最悪の事態を避ける」ことを最優先します。彼らの目標は、バーディーやパーを獲ることではなく、「いかに大叩きをしないか」です。OBゾーンが近いホールではドライバーを握らず、林に入れたらグリーンを狙わずに一度フェアウェイに出す。この謙虚で賢明なリスク管理能力が、彼らのスコアを劇的に安定させているのです。
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③ 準備とマナーの徹底:スタート前に勝負は決まっていると知っている
上達しない人は、ゴルフを「スタートホールから始まるもの」だと考えています。スタート時間ギリギリに到着し、準備もそこそこに、バタバタと1打目を打ちます。
しかし、上達する人は、ゴルフが「ゴルフ場に到着した瞬間から始まっている」ことを知っています。彼らは常に時間に余裕を持ってクラブハウスに現れ、入念なストレッチ、目的を持った練習、そしてパターグリーンでのタッチの確認という「儀式」を大切にします。心身ともに万全の準備を整えてティーグラウンドに立つからこそ、100%のパフォーマンスが発揮できる。彼らにとって、準備もまた、スコアメイクの一部なのです。
上達する人の「ゴルフへの姿勢」
最後に、技術や戦略以前の、最も根源的な「姿勢」の違いについてお話しします。
① 素直さという最強の武器:アドバイスを一度は受け入れる
上達しない人は、他人のアドバイスに対して「でも、自分はこう思う」「だって、〇〇プロはこう言っていた」と、聞く耳を持たない傾向があります。自分のやり方に固執し、変化を恐れるのです。
一方で、上達する人は、驚くほど「素直」です。信頼できる人からのアドバイスであれば、それが自分の感覚と多少違っていても、「なるほど、一度やってみます」と、まずは実践してみる柔軟性を持っています。もちろん、試した結果、自分に合わなければ元に戻せばいい。この「試す」という行為ができるかどうか。その素直な姿勢こそが、成長の可能性を無限に広げるのです。
② 楽しむ才能:スコア以上に、プロセスを楽しむ
上達しない人は、その日の楽しさが「スコア」という結果だけで決まってしまいます。スコアが悪ければ、不機嫌になり、ゴルフそのものが嫌になってしまう。
しかし、上達する人は、ゴルフという体験そのものを楽しむ才能に長けています。たとえスコアが悪くても、同伴者との楽しい会話、美しいコースの景色、たまに出る会心の一打、プレー後の美味しい食事…。スコアという一面的な評価に囚われず、ゴルフがもたらしてくれる豊かな時間全体を味わうことができる。このポジティブな姿勢が、モチベーションを維持させ、結果的に長期的な上達へと繋がっていくのです。
③ 自分を客観視する力:他人の目(動画や記録)を借りる
上達しない人は、自分の感覚だけを信じ、客観的な事実から目を背けがちです。「自分では真っ直ぐ振っているつもり」でも、実際のスイングは全く違う、というケースは非常に多い。
対照的に、上達する人は、自分を客観視する努力を怠りません。練習場でスマホを使って自分のスイングを撮影し、プロと比較する。ラウンド後にスコアカードを見返し、OBや3パットの数を記録・分析する。この「もう一人の自分の目」を持つことで、自分の本当の課題が明確になり、努力の方向性を間違えることがないのです。
まとめ:あなたはどちらのゴルファーになるか、今日、選ぶことができる
これまでお話ししてきた「上達する人・しない人」の違い。それは、決して生まれ持った才能の差ではありません。それは、ゴルフに対する「意識」と「行動」の、ほんの少しの差の積み重ねです。
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練習では、明確な目的を持ち、質にこだわるか?
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コースでは、感情的にならず、謙虚にリスクを管理できるか?
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ゴルフに対して、素直で、ポジティブで、客観的な姿勢で向き合えているか?
幸いなことに、これらの「向き合い方」は、あなたが「そうしよう」と決意した瞬間から、誰でも変えることができます。
まずは、次の練習で、今日のテーマを一つだけ決めてみてください。次のラウンドで、スコアカードにパット数を記録してみてください。
その小さな一歩が、あなたを「上達しない人」のグループから、「上達する人」の世界へと導く、大きな一歩になることを、私は確信しています。
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