「よし、ゴルフを始めるぞ!」
そう意気込んでみたものの、「何から手をつければいいの?」「覚えることが多すぎてパニック…」と、途方に暮れていませんか?
こんにちは!元ゴルフ研修生のkenです。
ゴルフは、知れば知るほど奥が深いスポーツ。スイング理論、クラブの知識、ルールやマナー…その情報量の多さに、多くの初心者がスタートラインで立ち尽くしてしまいます。
でも、安心してください。
あなたが今、全てを覚える必要は全くありません。家を建てる時に、まず「土台」と「柱」を作るのが重要なように、ゴルフにも「これさえ押さえておけば、後からいくらでも上達できる」という絶対に外せない基本が存在します。
今回は、私が研修生としてプロを目指す中で、そして多くの初心者ゴルファーを指導する中で確信した、「ゴルフ初心者が最初に覚えるべき、たった5つの基本」を厳選してご紹介します。
難しい理論は後回し。今日お話しする5つのことを、一つずつ、あなたのゴルフの「土台」にしていってください。これだけで、あなたのゴルフ人生は驚くほどスムーズに、そして楽しくスタートできることをお約束します。
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なぜ「基本」が死ぬほど重要なのか?
本題に入る前に、少しだけお付き合いください。なぜ、私がこれほどまでに「基本」を強調するのか。それは、間違った癖が一度ついてしまうと、後から修正するには何倍もの時間と労力がかかるからです。
我流で練習を続けて、ある程度打てるようにはなっても、必ずスコアの壁にぶつかります。その時、「もっと上手くなりたい」と思っても、染み付いた悪い癖が上達の邪魔をするのです。
最初に正しい「土台」を築いておけば、その後の成長スピードは圧倒的に速くなります。焦らず、急がば回れ。これからお話しする5つの基本は、あなたのゴルフ人生を支える、最も頑丈で大切な土台となるのです。
【基本①】全ての土台!「グリップ」の正しい握り方
ゴルフにおいて、体とクラブを繋ぐ唯一の接点が「グリップ」です。この握り方が間違っていると、どんなに良いスイングをしようとしても、全てが台無しになります。まずは、この正しい握り方を体に染み込ませましょう。
なぜ正しいグリップが重要なのか?
正しいグリップは、クラブフェースの向きを正しくコントロールするために不可欠です。ボールが右へ左へと曲がってしまう原因の多くは、このグリップにあります。また、手首をスムーズに使えるようになるため、ヘッドスピードを上げる上でも重要な役割を果たします。
3ステップで簡単!「オーバーラッピンググリップ」の作り方
最もオーソドックスで、多くのプロが採用している「オーバーラッピンググリップ」の握り方を覚えましょう。
【左手の握り方】
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クラブを地面と平行に持ち、左手の指の付け根(人差し指の第二関節から小指の付け根にかけて)に沿ってクラブを置きます。
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そのまま指先から順番に包み込むように握ります。この時、上から見て、人差し指と中指の knuckle(拳の骨)が2つ見えるのが正しい向きの目安です。
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親指は、グリップの真上より少しだけ右側に置きます。
【右手の握り方】
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右手の生命線で、左手の親指を包み込むように重ねます。
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左手の人差し指の上に、右手の小指を軽く乗せます(これがオーバーラッピングです)。
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右手も指先から握り、人差し指は引き金(ピストルのトリガー)を引くような形で軽く曲げ、グリップを支えます。
力の入れ具合は「ヒヨコを潰さない」程度
グリップを握る力(グリッププレッシャー)は、強すぎても弱すぎてもいけません。よく言われるのが「生きたヒヨコを、逃げないように、でも潰さないように優しく握る」という例えです。ギュッと握りしめるのではなく、クラブが手の中でグラつかない程度の力で、ソフトに握ることを心がけてください。
【基本②】ショットの成否は8割決まる!「アドレス」の正しい構え方
「アドレス」とは、ボールを打つための「構え」のことです。ナイスショットの8割は、このアドレスの質で決まると言っても過言ではありません。毎回同じように構えることが、安定したショットへの第一歩です。
なぜ正しいアドレスが重要なのか?
正しいアドレスは、体の回転軸を安定させ、スムーズなスイングを可能にするための準備です。構えがバラバラだと、スイングもその都度変わってしまい、ボールに当たる確率が著しく低下します。
4つのチェックポイントで完璧なアドレスを作る
鏡の前で、以下の4つのポイントを確認しながら練習してみましょう。
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足の幅(スタンス):基本となる7番アイアンの場合、肩幅と同じくらいが目安です。ドライバーはもう少し広く、アプローチは狭く、とクラブの長さに応じて調整します。
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ボールの位置:これも7番アイアンの場合、両足のスタンスの真ん中が基本です。ここから、クラブが長くなるにつれて少しずつ左足寄りに、短くなるにつれて右足寄りに移動させます。
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前傾姿勢:棒立ちではなく、お尻を後ろに突き出すようにして、股関節から上半身を前に傾けます。背筋は丸めず、スッと伸ばすのがポイント。膝は軽く曲げ、体重が足の裏全体(特に母指球あたり)に乗るようにします。
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腕の位置:腕は力を抜き、だらんと真下に垂らした位置でグリップを握ります。肩からグリップまでが一直線になるイメージです。
【基本③】ボールを飛ばす源泉!「体の回転」で打つ感覚
ゴルフ初心者が最も陥りやすい過ちが、腕の力だけでボールを打とうとする「手打ち」です。ボールを遠くに、そして正確に飛ばす力の源泉は、腕力ではなく「体の回転」にあります。
なぜ「手打ち」はダメなのか?
手打ちは、スイング軌道が不安定になり、ミート率が極端に下がります。また、力の伝達効率が悪いため、どれだけ力んでも飛距離は出ません。再現性が低く、ミスショットの最大の原因となります。
おへそを意識!「ボディターン」を覚える簡単ドリル
難しいことは考えず、まずはこの感覚を掴んでください。
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クラブを胸の前で、両腕でクロスするように抱えます。
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アドレスの姿勢をとり、胸(クラブ)を右に向けます(バックスイング)。この時、おへそが右斜め45度を向くイメージです。
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次に、胸(クラブ)を左に向けます(フォロースルー)。フィニッシュでは、おへそがターゲット(目標方向)を向くまでしっかりと回し切ります。
このドリルで、腕ではなく体幹を使って体を回す感覚を養いましょう。実際のスイングでも、「腕は体の回転についてくるだけ」という意識を持つことが、手打ちを卒業する鍵です。
【基本④】スコアメイクの心臓部!「グリーン周りのアプローチ」
ドライバーで豪快なショットを打つのはゴルフの華ですが、スコアを良くするための心臓部は、グリーン周りの短い距離を寄せる「アプローチ」にあります。初心者のうちに、このアプローチの基本を覚えておけば、スコアは劇的に改善します。
なぜアプローチが最優先なのか?
スコアの約半分は、100ヤード以内のショットとパッティングで構成されています。特に、グリーン周りからの1打は、スコアに直結する非常に重要なショット。ここでのミスを減らすことが、120切り、100切りへの最大の近道だからです。
小さなスイング「ビジネスゾーン」をマスターしよう
まずは、サンドウェッジ(SW)やアプローチウェッジ(AW)を使い、腰から腰までの小さな振り幅のスイングを徹底的に練習しましょう。プロの世界では、この動きを「ビジネスゾーン」と呼び、スイングの基本が全て詰まっている最も重要な部分とされています。
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スタンスは狭く:肩幅よりずっと狭く、足を揃えるくらいでOK。
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少しオープンスタンス:左足を少し後ろに引き、目標に対して体が開きやすいように構える。
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ボールは右足寄り:ボールをスタンスの中央より右に置くことで、クリーンに当たりやすくなる。
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体重は左足:体重の6〜7割を左足に乗せたまま、スイング中も体重移動はほとんどしない。
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振り幅は「時計の8時→4時」:手首はあまり使わず、体の回転で、振り子のようにクラブを振る。
この小さなスイングで、確実にボールの芯に当てる感覚を養うことが、フルショットの上達にも繋がります。
【基本⑤】一日を気持ちよく終えるための「ゴルフマナーとエチケット」
最後に、技術以上に大切な「マナー」についてです。ゴルフは、同伴者や後続の組への配慮が求められるスポーツ。基本的なマナーを知っているだけで、周りから「また一緒に回りたい」と思われる、素敵なゴルファーになることができます。
なぜマナーが技術より大切なのか?
ゴルフは一日を共にするスポーツです。どんなにショットが上手くても、マナーが悪いと同伴者を不快にさせ、場の雰囲気を壊してしまいます。逆に、スコアは悪くても、マナーがしっかりしていれば、誰からも歓迎されます。技術は後からついてきますが、マナーは最初が肝心です。
初心者が最初に覚えるべき3大マナー
全てを覚えるのは大変なので、まずはこの3つだけ意識してください。
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プレーファスト(Play Fast):プレーの進行を速やかに行う意識のこと。
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自分の番になったらすぐ打てるように準備しておく(クラブを2〜3本持っていく、素振りは1〜2回まで)。
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ボール探しは3分以内(2019年のルール改定で正式に決まりました)。見つからなければ、潔く諦めて次のプレーへ。
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安全の確認:自分の打球が、人に当たらないように細心の注意を払う。
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前に人がいる時は絶対に打たない。
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もし隣のホールに打ち込んでしまったら、すぐに「フォアー!」と大声で叫んで危険を知らせる。これは非常に重要です。
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コースを大切にする:ゴルファー全員が使う大切な場所を、自分で修復する。
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ショットで芝生を削ってしまったら(ディボット跡)、削れた芝を元に戻すか、カートに備え付けの「目土」を入れる。
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ボールがグリーンに乗った時にできた凹み(ボールマーク)は、グリーンフォークという道具で必ず直す。
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⇩⇩マナーについての詳しい記事はこちら⇩⇩

まとめ:5つの土台を固め、楽しいゴルフライフを!
今回は、ゴルフ初心者が最初に覚えるべき5つの基本についてお話ししました。
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グリップ:全ての基本。正しい握り方でクラブをコントロールする。
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アドレス:ショットの成否の8割を決める。毎回同じ構えを作る。
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体の回転:手打ちを卒業し、体幹を使って打つ感覚を覚える。
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アプローチ:スコアメイクの心臓部。小さなスイングをマスターする。
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マナー:技術以上に大切。プレーファストを心がける。
この5つは、ゴルフという大きな建物を支える、最も重要で頑丈な土台です。最初は地味で退屈に感じるかもしれませんが、この土台がしっかりしていれば、あなたのゴルフはこれからいくらでも高く、大きく成長していくことができます。
焦らず、一つずつ。ぜひ、この5つの基本を大切にしながら、素晴らしいゴルフライフをスタートさせてください。応援しています!
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