【ゴルフ100切り】パーは不要!元研修生が教える魔法の戦略「ボギーオン」完全マニュアル

初心者向けレッスン

「なぜ、何度ラウンドしても100が切れないんだ…」

ゴルフを愛する多くの人が、この厚く、そして見えない「100の壁」の前で立ち尽くし、悩み、苦しんでいます。ナイスショットもたまに出る。パーもいくつか取れる。なのに、なぜかスコアカードを合計すると、いつも103や105といった数字が並んでいる。

その原因、もしかして「パーを狙いすぎている」ことにあるのかもしれません。

こんにちは!元ゴルフ研修生のkenです。
プロを目指し、ゴルフに明け暮れていた私が、アマチュアの方を指導する中で最も強く感じるのが、多くの人が無意識のうちに「プロゴルファーと同じゴルフ(パーオン狙いのゴルフ)」をしようとして、自らスコアを崩しているという事実です。

この記事では、そんな「パーオンの呪縛」からあなたを解放し、100切りを達成するための、最も賢く、最も確実な思考法「ボギーオン戦略」について、その全てを徹底的に解説します。

これは、決して消極的なゴルフではありません。大叩きのリスクを極限まで排除し、あなたの実力を最大限に引き出す、最強のコースマネジメント術です。この記事を読み終える頃には、あなたのゴルフ観は180度変わり、100切りが手の届く目標に変わっていることをお約束します。


なぜあなたは100が切れないのか?「パーオン狙い」という悲劇の始まり

まず、なぜあなたのスコアが100前後で停滞してしまうのか。その根本原因を突き止めましょう。それは、多くの場合「一つのホールでの大叩き」に集約されます。

無意識にプロを目指す「パーオン狙い」の罠

テレビで見るプロゴルファーは、Par4のホールを2打でグリーンに乗せ(パーオン)、2パットでパーを獲るのが基本です。そして、多くのアマチュアゴルファーが、知らず知らずのうちに、この「2オン2パット」を自分のゴルフの基準にしてしまっています。

しかし、これはプロだから可能なこと。我々アマチュアが、自分の実力以上のパーオンを狙うと、次のような悲劇の連鎖が起こります。

  1. 無理なティーショット:少しでも距離を稼ごうと力み、ドライバーが大きく曲がってOBや林の中へ。

  2. 無謀なリカバリー:林の中からグリーンを直接狙い、木に当たって脱出失敗。

  3. ミスの連鎖:難しいアプローチやバンカーショットを強いられ、トップやザックリを繰り返す。

気づけば、そのホールだけで「8」「9」「10」…という数字がスコアカードに刻まれる。たった一つのホールの大叩きが、他のホールで稼いだ貯金を全て吹き飛ばしてしまうのです。

【衝撃の事実】100切りに「パー」は1つも必要ない

ここで、冷静に数字を見てみましょう。
ゴルフ場の基準打数(パー)は、多くの場合「72」です。100を切り、スコア「99」でホールアウトするということは、パー72に対して「+27」ということになります。

これを18ホールで割ると、1ホールあたりの許容オーバー打数は「1.5打」です。
つまり、

  • 9つのホールをボギー(+1打)

  • 残りの9つのホールをダブルボギー(+2打)

これで、9×1 + 9×2 = 27オーバーとなり、スコアは「99」見事に100切り達成です。
お気づきでしょうか?この計算の中に、「パー」は一つも含まれていないのです。

この事実を受け入れることが、100切りへのメンタルブロックを解除する、最初の、そして最も重要なステップです。


100切りへの最短ルート「ボギーオン」という魔法の言葉

「パーを狙わなくていいのは分かった。じゃあ、具体的にどうすればいいの?」
その答えが、この記事の核心である「ボギーオン戦略」です。

「ボギーオン」の明確な定義とは?

ボギーオンとは、そのホールのパーの数から1を引いた打数で、グリーンに乗せる(オンする)ことを目標とする考え方です。

  • Par4のホール3打でグリーンオンを目指す(3オン)

  • Par5のホール4打でグリーンオンを目指す(4オン)

  • Par3のホール2打でグリーンオンを目指す(2オン)

この「ボギーオン」を各ホールで達成し、そこから2パットでカップインすれば、スコアは必ず「ボギー(+1)」以内(ボギーオン+2パット)に収まります。全ホールでこれを続ければ、スコアは「90」。もし、そのうち半分のホール(9ホール)で3パットしてしまってもダブルボギーとなり、スコアは「99」となり、100切りを達成することができます。

「ボギーオン戦略」がもたらす4つの絶大なメリット

  1. 精神的な余裕が生まれる
    「2打で乗せなきゃ」というプレッシャーから、「3打(4打)で乗せればいい」という安心感に変わります。力みが取れ、スイングがスムーズになり、結果的にナイスショットの確率が上がります。

  2. コースマネジメントが劇的にシンプルになる
    常に「安全なルート」を選択できます。池やバンカー、OBゾーンを徹底的に避け、広い場所、広い場所へとボールを運ぶだけの、簡単なゲームに変わります。

  3. 大叩きの原因を根絶できる
    無理なショットをしないので、OBや池ポチャ、林からの脱出失敗といった、大叩きの最大の原因を物理的に排除できます。

  4. 常に「得意な距離」のアプローチを残せる
    グリーンを直接狙うのではなく、「グリーン手前80ヤード」など、自分が最も自信のあるアプローチの距離を残すようにマネジメントできます。


【完全実践マニュアル】ホール別「ボギーオン」の具体的な攻め方

では、実際のコースでどのようにボギーオン戦略を実践するのか。具体的なホールを例にシミュレーションしてみましょう。

Par4(例:380ヤード)でのボギーオン戦略

  • パーオン狙いの場合:ドライバーで250Y、セカンドで130Yを狙う。少しでも曲がれば即トラブル。

  • ボギーオン戦略(3オン狙い)

    • 1打目(ティーショット):目標は「180ヤード先のフェアウェイのど真ん中」。ドライバーに固執せず、OBが怖いなら迷わず5番ウッドやユーティリティを選択。

    • 2打目:残り200ヤード。ここでグリーンを狙うという選択肢は完全に捨てます。自分の最も自信のあるクラブ(例えば7番アイアン)で、グリーン手前50~80ヤード地点の、花道など一番安全な場所へ「刻み」ます。

    • 3打目:残り50~80ヤード。あなたの最も得意なアプローチショットです。ここで初めて、自信を持ってグリーンを狙います。これが「ボギーオン」です。

    • 4打目・5打目:グリーンに乗れば、あとは2パットでOK。スコアは「5」でボギーです。もし3パットしても「6」でダブルボギー。完璧なマネジメントです。

Par5(例:500ヤード)でのボギーオン戦略

  • パーオン狙いの場合:2打でグリーン近くまで運ぶ必要があり、相当な飛距離と正確性が求められる。

  • ボギーオン戦略(4オン狙い)

    • 1打目(ティーショット):ドライバーで200ヤード。フェアウェイキープが最優先。

    • 2打目:残り300ヤード。7番アイアンで確実に150ヤード前進。

    • 3打目:残り150ヤード。再度7番アイアンで100ヤード前進。残り50ヤード。

    • 4打目:得意な50ヤードのアプローチでグリーンオン。これが「ボギーオン」。

    • 5打目・6打目:2パットでカップイン。スコアは「6」でボギー。大成功です。

Par3(例:160ヤード)でのボギーオン戦略

  • パーオン狙いの場合:1打でグリーンに乗せる必要があり、プレッシャーがかかる。

  • ボギーオン戦略(2オン狙い)

    • 1打目:ピンの位置やハザードの状況を冷静に判断します。もし、グリーン手前にバンカーがあったり、ピンが端に切られていたりしたら、無理にグリーンを狙いません。最も安全な「グリーン手前の花道」を狙い、確実に140ヤード程度を打ちます。

    • 2打目:花道からの簡単なアプローチでグリーンオン。これが「ボギーオン」。

    • 3打目・4打目:寄せワンなら「3」でパー。2パットでも「4」でボギーです。


「ボギーオンゴルフ」を成功させるための必須スキルと練習法

この賢い戦略を絵に描いた餅で終わらせないために、あなたが練習場で磨くべきスキルは非常に明確になります。

必須スキル①:自分だけの「マネジメントクラブ」を確立する

ボギーオン戦略では、2打目、3打目で安全に刻む場面が非常に多くなります。そこで、「このクラブなら、8割の確率で140~160ヤードを狙ったエリアに運べる」という、絶対的な信頼を置けるクラブを1本作ってください。7番アイアンでも、ユーティリティでも構いません。このクラブの習熟度が、ボギーオン戦略の成否を分けます。

必須スキル②:100ヤード以内を「3打」で確実に上がるアプローチ力

ボギーオンの最後は、必ずアプローチショットです。「100ヤード以内からであれば、確実にグリーンに乗せて、2パットで上がれる」という技術が、この戦略の心臓部となります。練習場では、ドライバーの練習時間を半分にして、その分を50~100ヤードのアプローチ練習に充ててください。特に、SW、AW、PWの3本で、フルショットだけでなく、振り幅を変えたショットの飛距離を正確に把握しておくことが重要です。

必須スキル③:「+2でOK」と割り切れる、最強のメンタル

ティーショットが少し曲がっても、慌てない。次の1打で安全な場所に戻せばいい。目の前の「パー」や「バーディー」という甘い誘惑を断ち切り、「このホールはダブルボギーで御の字だ」と冷静に判断できるか。半分はダブルボギーでいいのだから。スコアカードに「+2」を書き続ける勇気を持つことが、結果的にあなたを100切りの世界へと導きます。


まとめ|「賢者のゴルフ」で、今日からあなたも100切りゴルファーへ

100の壁を越えられないのは、あなたの技術が足りないからではありません。ただ、「戦略を知らない」だけなのです。

  1. 意識改革:100切りにパーは不要。「ボギー9つ、ダボ9つ」で達成できると知る。

  2. 戦略転換:「パーオン狙い」の呪縛を捨て、「ボギーオン戦略」に切り替える。

  3. 目標設定:Par4は3オン、Par5は4オン、Par3は2オンを各ホールの絶対目標とする。

  4. リスク管理:池、バンカー、OBを徹底的に避け、常に安全なルートを選択する。

  5. 練習の最適化:練習では「信頼できる1本」「100ヤード以内のアプローチ」を徹底的に磨く。

ボギーオンゴルフは、決して逃げのゴルフではありません。自分の実力を冷静に分析し、コースの罠を避け、大叩きのリスクを排除してスコアを組み立てる、最も知的で、最も攻撃的な「守りのゴルフ」です。

まずは次のラウンド、全てのホールで「ボギーオン+2パット」のダブルボギーを狙ってみてください。そのスコアカードには、きっと「99」という夢の数字が記されているはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました